From: 藤掛英夫
Tue, 8 Mar 2005 14:26:22 +0900
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*** 分子配向エレクトロニクス研究フォーラムの設立について ***
昨今の電子機能性有機材料の発展は著しく、有機トランジスタ、有機EL、色素増感太陽電池、導電性高分子、電子写真感光体などに活用されています。有機半導体の電荷移動度は、すでにアモルファスシリコンなみに向上しており、さらに論理回路用のトランジスタにも応用が見込まれれば、産業分野への波及効果は計り知れません。それらの材料・デバイスプロセスも進展していますが、今後の有機半導体材料の発展・飛躍には、分子配向制御が不可欠と考えられています。
そこで日本液晶学会では、進展の著しい有機半導体と液晶科学の境界領域を積極的に開拓し、液晶研究の裾野と応用分野を大きく拡張することを目的として、「分子配向エレクトロニクス研究フォーラム」を設立しました。フォーラムの新設は、学会発足以来の8年ぶりとなります。
本フォーラムは、有機半導体の科学・物性の基礎分野から、電子デバイスへの応用分野まで幅広くカバーします。特に、配向の自己組織化を含め、分子構造や分子配向の観点から、分子集合状態(単結晶、多結晶、アモルファス、π共役高分子凝集系、多様な液晶相など)の電気伝導や光電子機能にフォーカスしていきます。また、配向に伴う電子物性の異方性を活用すれば、新たな概念の半導体デバイスが創出される可能性があり、それらをいち早く先導していきます。
上記の趣旨に基づき本フォーラムは、電子機能材料と分子配向に関連して、基礎研究のフェーズから情報交換の場を提供していきます。具体的には、自らテーマ講演会を企画・開催するとともに、液晶学会討論会や学会誌「液晶」の企画に積極的に参加していきます。さらに他学会の研究会と交流を図る一方、分子配向の専門性と産学連携を強みとして、液晶学会独自の課題を探索していきます。それらの取り組みを通して、分子配向と有機材料に携わる研究者の連携・結集を促進し、新たな有機エレクトロニクスの創出を目指します。
2005年のフォーラム活動は、以下の運営委員を中心に進めて参ります。
主査 藤掛 英夫(NHK)
幹事 石川 謙(東工大)
会計 舟橋 正浩(産総研)
ネットワーク 吉本 尚起(日立)
委員 鈴木 成嘉(メルク)
久保野 敦史(静岡大)
物部 浩達(産総研関西センター)
本年度も有機半導体に関するテーマ講演会を企画しており、講演会の詳細は、学会誌、ホームページ、メーリング等を通じて、皆様にお知らせ致します。講演会企画や
フォーラム運営に関して、ご意見・ご要望がありましたら、ぜひとも上記の運営委員までお寄せください。
今後の分子配向エレクトロニクスフォーラムの活動に、ご理解とご支援をお願い致します。
フォーラム主査 藤掛英夫
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