皆様

都立大では,福田順一氏(九大)による大学院集中講義およびセミナーを
以下の通り,12/2(水) – 4(金)に予定しております.

外部の方の聴講も歓迎いたします.
講義およびセミナーはオンライン(zoom)で行われます.
前日までに zoomのURLをご連絡させていただきますので,
聴講希望の方は以下のフォームからご登録ください.
https://forms.gle/mLz8hhTSwQvdUPAF9

* 都立大で履修登録をした学生は本フォームに登録する必要はありません.
* メールアドレスは,できるだけ大学や研究機関のものをご使用ください.
* ご登録いただいた情報は,本集中講義・セミナー関係の連絡以外の目的には使
用致しません.

なお,集中講義は都立大大学院生を主な対象としておりますので,ご希望に添え
ない可能性もあることをご了承ください.

ご不明点等ございましたら,都立大 栗田(kurita[at]tmu.ac.jp)までお問い
合わせください.

以下,集中講義およびセミナーの詳細です.

===============    集中講義    ===============

題目:液晶の物理
講師:福田 順一 氏(九州大学大学院 理学研究院物理学部門)

日時:
 12月 2日(水) 10:30-12:00, 13:00-14:30, 14:40-16:10
 12月 3日(木) 10:30-12:00, 13:00-14:30, 14:40-16:10, 16:20-17:50 (セミ
ナー)
 12月 4日(金) 10:30-12:00

講義要旨:
「液晶」という言葉自体は,携帯電話のディスプレイやテレビなどに用いられて
いることから比較的馴染みがあると思われるが,それゆえに液晶は工学の研究対
象と思われているところがある.本講義では,液晶は物理学の観点からも興味深い
研究対象であることを,統計物理学,凝縮系物理学,数学といった学問分野との関
連を踏まえて解説する.具体的内容は以下のとおりである.

1. 液晶の概略
2. 液晶相転移に関するOnsagerの理論
3. ネマチック液晶の連続体理論
4. 位相欠陥
5. ネマチック液晶の光散乱
6. スメクチック液晶の連続体理論
7. キラル液晶の性質
8. (セミナー)キラル液晶薄膜が形成するスカーミオンとその光学的な性質

===============    セミナー    ===============

題目:キラル液晶薄膜が形成するスカーミオンとその光学的な性質
講師:福田 順一 氏(九州大学大学院 理学研究院物理学部門)

日時:12月 3日(木) 16:20-17:50

アブストラクト:
 鏡映対称性の欠如したキラル液晶は,様々な秩序構造を自己組織的に形成する
ことが知られている.本研究では,2枚の平行平板の間に閉じ込められたキラル
液晶の薄膜が,薄膜の厚さ,温度,アンカリング(液晶と表面との相互作用)の
種類に応じて,バルクでは見られない多様な配向秩序構造,位相欠陥構造を形成
することを,連続体理論に基づいた数値計算によって明らかにした.それらの秩
序構造の中には,様々な凝縮系において観測されている,スカーミオンと呼ばれ
る渦状の励起構造からなるヘキサゴナルな格子も含まれている.さらに,スカー
ミオン格子を含むそれらの秩序構造について,実験で観察されている光学顕微鏡
像,コッセル像(単色光の散乱方向を可視化もの)の理論的,数値的考察を行い,
実験結果をほぼ完璧に再現,説明できることを示した.

参考論文:
J. Fukuda and S. Zumer, Nature Commun. 2, 246 (2011)
A. Nych, J. Fukuda et al., Nature Phys. 13, 1215 (2017)
J. Fukuda et al., Sci. Rep. 8, 17234 (2018)

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以上,よろしくお願い致します.

都立大物理 栗田・谷

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JLCS-Information https://jlcs.jp/information/jlcs-information
発信者:福田順一