会員の皆様、我々の日本液晶学会が設立されたのが1997年9月の液晶討論会においてでありました。それからはや20年が経過しようとしております。この20年の間、液晶学そのものやそれに関係した様々な科学技術の領域が多様な展開を見せていることを一層肌に感じるこの頃ですが、これを契機に今後を考えるよい機会でもあります。
 今般、日本液晶学会理事会では、これから更なる激動の時代に突入するにあたり、今までの我々の軌跡をたどるとともに会員一同の志を新たな起爆剤として次の時代に突入するべく今後を考えるために、この7月から約2年の年月をその期間として20周年記念事業を実施することに致しました。
 ここ数年、急速に押し寄せていますあらたなグローバリズムへの対応や液晶を中心としたあらたな学術及び工学の進展により、さらに広視野角の眼で今後を考えようとするものです。
 そのために、この7月に開催される第8回日本—イタリア液晶ワークショップ(日本学術振興会第142委員会との共催、組織委員長は京都大学山本潤先生:http://jlcs.jp/JILCW2016/index.html)を皮切りに、より開かれた形でより国際的な交流を深めることによって新たなスコープを醸成する場を提供する活動を進めて参ります。現在、すでに第2回ソフトマテリアルの光配向と光パターニングに関する国際会議(名古屋大学との共催、組織委員長は名古屋大学関隆広先生:http://www.apchem.nagoya-u.ac.jp/06-BS-2/phosm/index.html)を本年11月開催で準備が進んでおります。さらに2018年には我が国としては2000年に仙台で開催して以来の3度目になります第27回国際液晶会議(日本学術会議との共催、組織委員長は東京大学加藤隆史先生)の京都での開催が決まっており、こちらも着々と準備がなされております。加えて、アジア近隣諸国のご協力のもと第1回を日本で開催しましたアジア液晶会議は、その後第2回が韓国で開催され、第3回は2017年2月に台湾液晶学会の主催で開催の予定で準備が進行しております。今後この会合が育っていくことに本学会も重要な役割を担っております(日本側committee委員は第一世代から大阪大学尾崎雅則先生と九州大学菊池裕嗣先生にすでにバトンが渡されております)。
 また、アジア近隣諸国との関係がますます密接になる状況を踏まえ、学会HPの英語化にも取り組んでおります。
 これらに加えて融合領域の学会として、広く会友の皆様と分かち合える企画を実現するために産学連携活動等に関係したイベントを企画して参りたく、JLCS20周年記念事業企画委員会を立ち上げることも計画しております。特に、デイスプレイ技術では特別な講演会を企画中であります(委員長は東北大学藤掛英夫先生)。
 本年の日本液晶学会討論会(組織委員長は大阪工業大学の石原將市先生)では、昨年から外国の研究者が来日されて参加されるという状況を踏まえ、学会案内の英語版の作成や発表資料の英語表記の推奨など新たな創意工夫を取り入れていくと同時に、講演企画を新たにセットする方向で準備が進められております。また松江での討論会において新しい試みで始まった「液晶交流会」も若い世代の先生方や学生の皆さんの液晶学を通した学びと交流の場の提供としてさらに工夫をした活動を目指しております。
 一方、学会発足時に5つが、またその後2つの新たなフォーラムが生まれて現在計6つのフォーラムが活動しております。今般融合的な場の提供という意味合いも含めて合同行事、特に運営上の問題で中座しておりますサマースクールに変わる新たな勉強&交流会なども企画され、若い世代の先生や研究者の皆さんの活性化につながる活動として、当学会では強い支援を考えております。実際、会費の値上げという会員各位のご協力や事務局の変更に伴い、財政事情は好転してきており、液晶誌の電子化やHPの抜本的改定をはじめとした情報アクセスの利便性向上に加えて、学会本来の目的でもある液晶学の発展を期するべく新たな学術活動への支援も可能な状況となってまいりました。
 さらに、会員各位への学会の基本的メッセージのあり方の一環としましても、これを良い機会として捉え、これまで長きにわたって当学会を支えてこられた会員の皆様には永年会員表彰のようなイベントや、第一線は引かれておられるものの液晶学や関係の技術展開等になお強いご関心を持たれている諸先輩方々に向けてシニア会員制度等の新たな枠つくりも構想しており、実現へと着手して参ります。
 学会会員の皆様におかれましては、我々学会員がともに有意義な時間と空間を共有できる新たなアイデアがあれば是非ともお届けいただきますようお願いを申し上げます。また、これらの学会活動への積極的なご参加をお願いいたします。
 最後になりましたが、理事会で20周年記念ロゴを作成致しました。本来は、皆様から広くアイデアを募り決めていくべきものではございますが、ここにご紹介をさせていただきます。

JLCS 20th Anniversary Logo

2016年6月吉日
一般社団法人日本液晶学会会長 清水 洋