巻頭言

  • Curiosity, Science and Inventions:my Dreams / Martin Schadt -1(1)-

日本液晶学会名誉会員 -4(4)-

日本液晶学会賞 -5(5)-

解説

  • 異方性回折格子による光再構成型ホログラムメモリーへの応用 / 荻原昭文 -9(9)-
  • セルロースナノファイバーが拓くプリンテッドエレクトロニクス / 能木雅也 -17(17)-
  • サイン波状境界によって誘起される液晶微細構造 / 大園拓哉, 福田順一 -25(25)-
  • 次世代大容量光ネットワークで用いられる液晶デバイスを用いた光分岐装置の開発 / 上原昇 -33(33)-

研究室紹介

  • 大阪工業大学 工学部電気電子システム工学科 液晶研究室 / 石原將市 -39(39)-

英文アブストラクト -41(41)-

日本液晶学会賞公募・名誉会員候補者推薦について・役員候補者選挙について・代議員選挙について -43(43)-

編集後記 -44(44)-

日本液晶学会賛助企業 -表3-

総説・解説要旨

異方性回折格子による光再構成型ホログラムメモリーへの応用
荻原 昭文

高分子分散型液晶からなる回折格子は,レーザー干渉露光による光誘起相分離現象により形成され,デバイス内部の微細格子間に存在する液晶滴内の液晶分子の配向性により回折作用に異方性を生じる.この異方性回折格子形成に基づき,光再構成型ゲートアレイ用の回路情報の記録・再生が可能なホログラムメモリーへの応用について検討した.偏光依存性を有する回折素子の特徴を有したホログラムメモリーを作製し,偏光制御による回路情報の時系列読み出しによるゲートアレイへの並列光書き込みを応用した光再構成試験結果などについて報告する.

キーワード: 液晶,回折格子,ホログラムメモリー,偏光,レーザー干渉,光再構成型ゲートアレイ

セルロースナノファイバーが拓くプリンテッドエレクトロニクス
能木 雅也

現在,太陽電池や電子ブックなどの次世代エレクトロニクスの開発最前線では,「脱ガラス」と「低環境負荷プロセス技術」をキーワードに研究開発が進んでいる.セルロースナノファイバーを用いた紙(ナノペーパー)は,折り畳み性を保持したまま,ガラス並みの低熱膨張性と高透明性を有しており,「脱ガラス」のキーマテリアルとして注目を集めている.そして,印刷技術によるデバイス作製技術:“プリンテッド・エレクトロニクス技術”は,電子デバイス製造プロセスにおいて「低環境負荷プロセス技術」として期待されている.そこでわれわれは,セルロースナノファイバーのプリンテッド・エレクトロニクスへの応用を試みている.本稿では,プリンテッド・エレクトロニクスにおける紙基板の現状,ナノペーパーの製造方法と特徴,プリンテッド・エレクトロニクスへの応用事例を紹介する.

キーワード: セルロース,ナノファイバー,プリンテッドエレクトロニクス

サイン波状境界によって誘起される液晶微細構造
大園 拓哉, 福田 順一

サイン波状の境界形状とハイブリッド配向条件の下でのネマチック液晶中に誘起された新奇な配向構造について紹介する.まず,サイン波形状の溝に液晶を閉じ込めた場合に自発形成する,指数+1/2のジグザグ状線欠陥構造について概説する.また,温度変化に応じたその構造変化や欠陥構造のゆらぎ振幅の応答を述べ,それらが液晶弾性定数の温度依存性と関連していることに触れる.また,波状表面の溝部だけではなく凸部も含めた領域が液晶と全面接触した場合には,その液晶の平均の厚みが波状構造の溝の深さと同程度以下のとき,指数+1/2だけではなく−1/2の線欠陥も,その境界の曲率の符号に応じ,安定化されることを述べる.

キーワード: 配向欠陥構造,閉じ込め液晶,フラストレートした配向,自己組織化,マイクロリンクル

次世代大容量光ネットワークで用いられる液晶デバイスを用いた光分岐装置の開発
上原 昇

次世代光ノード装置では伝送容量の拡大とむだのない周波数利用の観点で“フレキシブル・グリッド(Flexible Grid)”が提案されている.われわれは日本が世界をリードしている液晶ディスプレイ技術とインフラとして求められるテレコム品質で定評のある国産技術による光伝送機器を融合することで,オールジャパンテクノロジーによる次世代光ノードシステムの実現を目指している.本論文では,LCOSと呼ばれる液晶デバイスによる空間光変調素器を用いた次世代大容量光ネットワーク用光分岐装置の開発について報告する.

キーワード: LCOS,空間光変調器,液晶,光ネットワーク,光分岐装置